top of page

教えて高橋ひであきさん

Q:自給率アップって、どうするの?

今のまんまでええやん!

   (写真)高橋ひであきさん



A:日本の食料の自給率は、39パーセント、種や肥料を入れると9%とも言われています。


これまで、日本は外国の輸入先に対して多額の資金提供、設備投資を行なってきました。


カナダ、アメリカ、ブラジルなどにある、穀物輸送のための施設は、全農の出資によって建設され、いずれも世界最大級の穀物輸出インフラとなっています。


にもかかわらず、国内の基幹作物を作る農家は、国外から入ってくる基幹作物と自由競争を強いられ、不当な安い値段でしか、販売できない状況を作られています。


また、失われた30年に象徴されるような不景気により、皆さんの賃金が上がらなかった事により、農産品の価格もまた、上がらずにきました。


2000年からの農家の所得の伸びを国際比較すると、

日本は、約30%のマイナスで

あるのに対し、EUは2倍以上、アメリカは3倍以上に増えています。


こういった国内農業の現状に対し、政府は、わずかな補助金のみで、農家の努力不足と言わんばかりの政策を取り続けてきました。


例えば、土地の集約化、大規模化、法人化、スマート農業、品種改良、新農薬などで生産性を向上することを目標に掲げています。


他国は、大きな補助金、助成金で農家を保護し、不当に安い値段で輸出を行なっており、かつ日本は平野が少なく国土の3割程度であるのに対し、

フランスやドイツなどは7割程度が平地であり、諸外国のような大規模化による生産性の向上は望めないのが現実です。


またお米の生産性で言えば、アメリカを例にすれば、対日本で7倍の生産性を誇ります。

世界の供給力に対し、今の日本の施策では、戦車に竹槍で挑むようなもので、農家の努力でなんとかなる問題ではありません。


現在、お米に関しては、GATT・ウルグアイラウンド協定によって関税が掛けられていますが、MA米という無関税枠が設けられており、

先般のトランプ関税への対応として、

この輸入枠が拡大させられる可能性があります。

また、日本国内でのお米以外の穀物生産は、壊滅的で、

大豆の自給率は6パーセント

(油除く28パーセント)

小麦の自給率は14パーセント

大麦は12パーセントしかありません。


100パーセントと言われているお米でさえも、現在の一人当たりの平均消費量が明治期から半分以下になっていることを鑑みれば、

自給率50パーセントをきる計算になります。


この状態で、もし有事になり、輸入経路を遮断された場合、2ヶ月程度で食料が底を尽きると言われています。


なぜなら、大豆の備蓄は2010年に廃止、食料用小麦、2ヶ月分、米の備蓄100トン(約2ヶ月分)であり、実質、どんなに切り詰めても、2ヶ月もてばいい方だと考えられます。


有事中の生産活動に関しても継続がどのくらいできるかといえば、タネに関しても90パーセント以上を輸入している状態ですので、国内にある種による生産に限られ、栽培品目は減り、また、石油の備蓄は平時の需要の8ヶ月分で、農業に使われているエネルギーは全体の2%にすぎないことを考えれば、使用に制限をかければ、1年半からもって2年はもつものの、現状の生産能力から増産をかけて、機械、設備などを拡充できる頃には、日本の食料は底をついているでしょう。


では、どうすればいいのか。


やはり平時からの備えが最も重要で、皆さんの胃袋を

満たす、コメ、麦、大豆の自給率を向上すること、そして、それを作っていても食べていけるように、国が、少なくとも、輸入によって下がった価格分の補助と合わせて、農業生産にかかる経費を補助する必要があると思います。


また、中山間の農地が全農地の半分近くを占めているため、規模が小さくても生産を継続できるよう、国内需要を国産で満たした後、余剰分を輸出に回すなど、自国産業の保護を強烈に進め、持続可能な構造を作るため支援をすることが求められます。



▪️高橋ひであきさん、ご丁寧にありがとうございました!政治には無関心な我々は、自給率に関しても、『輸入のが安いやん!』とか、『高齢化やし、しゃーない』とかホント、私も含めて無責任な思考になってしまいました。


深いお話をありがとうございました!


高橋ひであきさんのお話しを直接聞きたい方!

2025年5月14日の水曜日午後、

神戸、姫路(予定)で街宣があります!


あの、内海聡先生も街宣予定です。

詳細は更新させて頂きますので引き続き宜しくお願い致します。


 
 
 

Comentarios


bottom of page